センチネル族

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センチネル族(Sentinelese people)は、インド洋東部のアンダマン諸島に浮かぶ北センチネル島に住む先住民族。人口は250人ほどとされる。今もなお石器時代の生活を維持する世界で唯一の民族と言われ、外部との接触を拒否する生活を続けており、インド政府も干渉をしない意向を示している。

センチネル語を話すが、島の外部でセンチネル語を解する者はおらず、インド政府ですらセンチネル族と会話でコミュニケーションを取ることは不可能である。

言語系統的には南アンダマン諸語オンガン語族に含まれ、ジャラワ族オンゲ族と同系統と推定されているが、詳細は不明である。

部外者を矢を用いて無差別に攻撃するため、調査目的であってもセンチネル族に接触することは危険である。

世界最後の秘境「北センチネル島」の謎 インド洋で外界の接触を完全拒否[編集]

インド洋に浮かぶ北センチネル島。ここに暮らすセンチネル族は、もはや世界にどれほど残っているか分からない“文明未接触”の民族だ。

外部との交流を拒否しており、交渉しようとすれば弓矢で応戦し、近づく漁民も殺害してしまうという。地元政府は外部の接近を禁止じており、実体は謎のベールに包まれている。

北センチネル島は、ベンガル湾にあるインド連邦直轄領アンダマン・ニコバル諸島に属している。諸島の南西部に位置しており、ほとんどが密林で、あたりをサンゴ礁に囲まれた約60平方キロの島だ。

「ここに住むセンチネル族は文明からの接触を拒絶している。多くのことが現代においてもいまだ分かっていない」と話すのは、アンダマン・ニコバル諸島政府関係者だ。

関係者によると、センチネル族は狩猟や釣りで食料を確保しており、おもに野生のブタなどを狩っているという。当然電気もないため、火をおこして自給自足の生活を過ごしているとみられる。沿岸の浅い海域を移動するためにカヌーを使うが、オールは使っておらず、長い棒で海底を押して操作する。男女ともに衣服を着用していない。「生活としては石器時代の面影を残しているといえるだろう」と地元政府関係者は話す。

文字を有するのかも定かではなく、かつて言語を聞いた近隣の島民は理解できなかったという。宗教もあるのか不明だ。

特筆されるのは、その警戒心の強さだ。外部からの接触を徹底的に拒んでおり、あらゆる調査に弓矢や石で応じている。2000年代に入っても周辺の島から近づいた漁民を殺害。嵐で座礁した船の乗員を殺したこともあるという。「部族が外部に敵対的行動に出る可能性があるため、(近くを通る)漁民たちに島を避けるように定期的に注意喚起している」(地元関係者)。

インド側は1960年代以降、たびたび北センチネル島に接触を試みて、食料などを贈り物として島に運んだが無視され続けた。1991年に初めて行政当局の連絡チームのプレゼントを受け取ったものの反応はなく、警戒はいまだ解けないままだ。

地元政府によると、センチネル族は2001年の時点で、人口39人とされているが、正確な数字は分かっておらず、400人という説もある。2004年スマトラ島沖地震に伴う大津波で、部族の生存が危ぶまれたが、その後、調査に向かったヘリコプターに弓矢を放つ姿が撮影され、無事が確認された。

数万年にわたって島に住んでいるとされるセンチネル族だが、現在では秘境を秘境のまま保持させる政策が採られている。

アンダマン・ニコバル諸島は温暖な気候のために近年、中心地であるポートブレアを中心にビーチリゾートとして開発が進んでいるが、地元政府としては北センチネル島や周辺の島が観光資源とならないよう腐心しているという。

「私たちは現代文明の影響を受けていないセンチネル族を尊重している。深刻な自然災害や病気の発生がなければ、島に干渉することはないだろう」と関係者は説明する。

懸念されるのは健康状態で、外部との接触が少ないため免疫を多く持っておらず、外界から病気が持ち込まれた場合、一気に拡散してしまう懸念があるという。気軽な交流が命取りにつながる可能性があるわけだ。

センチネル族はインターネットを通じて一部で知られるようになり、関係者は、現地にたどり着く交通手段はほぼないものの、旅行客が興味本位で接近することを懸念する。地元政府は島については遠方からの監視を行っているといい、「センチネル族が現状を維持できることをわれわれは願っている」と話している。

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